ランプの種類

色彩検定2級トピック

色彩検定では、普通の電球から普段日常では使わないような照明まで、様々な光源器具が紹介されています。一つ一つ個別覚えていくのは大変なので、必ず分類を最初に確認してから、細かく掘り下げていきます。

あと、分光分布が出てきます。苦手な人も多いかと思いますが、頑張って見ていきましょう。スペクトラム色を入れない白黒にしていますので、形に注目しましょう。

 

まず、光源の種類は大きく2つに分かれます。

 

  1. 熱放射発光
  2. ルミネセンス

「熱放射発光」は、白熱電球のように熱放射、つまり物を加熱することで光る現象を利用した光源です。「色温度」のトピックをまだ勉強していない人は、先にそちらを見るとわかりやすいかもしれません。物体は高温で加熱していくと発光を始め、徐々に赤くなり、白くなり、そして青くなります。この高温で白く発光している状態が「白熱」ですね。試合がエキサイトしていることを「白熱している」なんてい言いますが白い光を出すほど高温なわけです。熱放射発光は、「白熱電球」「ハロゲン電球」の2つの白熱ランプ」をが出て来ます。

 

【白熱ランプ】

  • 白熱電球
  • ハロゲン電球

一方でルミネセンスは、熱放射以外の発光です。放電発光や電界発光(エレクトロルミネセンス)などがありますが、ここでは「熱放射以外」でざっくり捉えましょう。色彩検定関係ない、どっか別のところで説明を入れます。こちらは様々な色の「蛍光ランプ」「HIDランプ(高輝度放電ランプ)」「LED」が登場します。

 

① 白熱ランプ

白熱電球

白熱電球

ハロゲン電球

ハロゲン電球

【白熱電球】

いわゆる電球です。

特徴

  • 色温度は約 2800 K
  • 演色評価数の基準光に近い(演出性が高い)
  • 自由に光の量の調整ができる

分光分布はめちゃくちゃわかりやすいですね。一瞬で覚えられます。

分光分布_白色電球

【ハロゲン電球】

白熱電球と仕組みは同じですが、中にハロゲンガスが入っているので、白熱電球より明るく高寿命です。

特徴

  • 小型で明るく演出性が高い
  • 白熱電球より長寿命
  • 白熱電球より長波長が抑えられている

ハロゲン電球の分光分布は

白熱電球から長波長を削ったもの

と覚えておきましょう。 

分光分布_ハロゲン電球

② 蛍光ランプ

蛍光灯

特徴

  • 寿命が長く消費電力が小さい
  • 色温度や演色性によって様々なタイプがある

 

3種類の蛍光ランプの分光分布を見ておきましょう。

普通形

蛍光ランプ分光分布_普通形

高演色形

蛍光ランプ分光分布_高演色形

3波長域発光形

蛍光ランプ分光分布_三波長域発光形

「普通形」の分光分布は、B(450nmくらい)とG(550nmくらい)にツノがあります。しかし、Rの波長は激減しています。波長のバランスが良くないので、見える色が少し変わってしまう(演色性がよくない)ですね。

一方、「高演色形」は「普通形」と似ているものの、Rの波長が増強されています。また「3波長域発光形」はRGBそれぞれにツノを作ってあげて各波長を補強しています。逆にそれ以外は抑えめにして省電力にする、という完全な割り切りようです。

③ HIDランプ

メタルハライドランプ

スタジアムのメタルハライドランプ

特徴

  • 明るく経済的で演出性がよく、大光量
  • 様々な色温度のものがある
使われる場所の例
スタジアムなどのスポーツ施設
店舗や商業施設

水銀ランプ

水銀ランプ

特徴

  • 白熱電球の約3倍の発光効率
  • 演色性は悪いが寿命が長く経済性が良い
使われる場所の例
道路や公園
工場や倉庫

高圧ナトリウムランプ

高圧ナトリウムランプ

特徴

  • 寿命が白熱電球の4~9倍
  • 明るさが白熱電球の3~4倍
  • 演出性に優れ、白色電球ににた色温度
使われる場所の例
道路や景観のライトアップ
スポーツ施設

低圧ナトリウムランプ

低圧ナトリウムランプ

特徴

  • オレンジ系の単光色演色性が悪い
  • 高圧ナトリウムランプや蛍光ランプなどに置き換えられた
使われる場所の例
道路やトンネル

④ LED

LEDこと発光ダイオードは、いまやお馴染みのランプですね。1993年に高輝度青色ダイオードが発明、量産化されたことで、一気に実用化が進みました。この実用レベルの青色LEDの発明で中村修二先氏がノーベル化学賞を取得しましたね。(そしてあれこれ特許でもめてました)いずれにせよ、日本人が生み出した世界を変えた発明の一つです。

LEDは、とてもシンプルかつ優秀な特徴を持ちます。

  •  発熱が少なく紫外線赤外線がほとんどない
    (デリケートな展示物等にも使える)
  • 寿命が数万時間
    (蛍光ランプが1万数千時間)

 

デジタル制作のためのカラーリファレンス