照度(ルクス)と色温度(ケルビン)
色彩検定2級トピック2級で登場する照明関連の基準は「照度」「色温度」「演色性」の3つです。初めて色温度という単語を聞いた時、暖色っぽいとか寒色っぽいとか、そういう感覚的なものだと想像しました。まさかケルビンなんて単位で計測できるものとは……
3つの基準をまずは見てしまいましょう。
照度(ルクス)
一つ目は「照度」。単位はルクス(lx)です。
照度はどれだけ照らされているかを示す単位で、照明から光を受けている特定の領域の明るさを示すことができます。照明の強さの値ではありません。あくまで対象物がどれだけ明るく照らされているかです。よって、同じ強さの光源でも、対象までの距離が遠ければ照度は下がり、近ければ照度は上がります。
大まかな参考値も何となく頭に入れておきましょう。
- 晴天の屋外:10万 lx
- 曇天の屋外:1万 lx
- 雨天の屋外:1000 lx
- 夜間の道路:10 lx
- 夜間の街路:1 lx
色温度(ケルビン)
光の色を光色と言います。なんだかとてもしょうもないことを言っている気がしますが……
大事なのは光色ではなく、光色を数値で測定する基準です。それが色温度、単位はケルビン(K)です。ケルビンという単位は熱力学の温度単位としても使われています。
色温度は、架空の理想的な黒い物質を加熱し続けた時に変わっていく色をその温度で表したもので、2000K付近では赤みがかった色をしていますが、そのまま数値が上がると白くなり、最終的に青に近くなっていきます。
え? 温度を上げると寒色から暖色に変わっていくんじゃないの? と思うかもしれませんが、現実の自然科学では違います。赤い炎はまだまだ温度が低く、ガスバーナーのような高温になると、炎は青白くなっていくことはご存じではないでしょうか。
大体の参考値です。
- 晴天の空:12,000 K
- 曇天の空:7,000 K
- 昼光色:6,500 K
- 正午の太陽:5,000 K
- 昼白色:5,000 K
- 白色:4,000 K
- 電球色:3,000 K
- 白熱電球:2,800 K
赤くなっているものはJISで定められている照明の基準色で、蛍光灯やLED照明の分類に使われています。電球色 → 白色 → 昼白色 → 昼光色 の順番で色温度が高くなることを頭に入れておきましょう。
演色と演色評価数
最後にもう一つ、照明の性質を測る基準の紹介です。
それが演色評価数です。
光で照明された物の色の見え方を演色といい、その特性を演色性と言います。その演色を数値で示したのが演色評価数です。
舞台公演の光による演出の色の派手さ、とかとはちょっと違います。
演色評価数とは、基準となる照明で照らされた時の演色を100として、確認対象の照明で照らした際にどれだけ差分があるかを示したもので、100に近ければ近いほど再現できている、つまり演色性がよいということになります。
市販されている照明などの演色性は平均演色評価数(単位:Ra)が記載されており、一般にはRaが80を超えると演色性が良い照明と言われます。