光と色に関する基本
色彩検定3級トピック色を「見る」ために
色を見るためには「光源」「物体」「視覚」が必要です。
「視覚」、つまり目は当たり前ですね。
「物体」、これはちょっと勘違いをしないようにしなくてはいけません。色を見るんだから、色がついている物が必要だ、という意味ではないのです。色とは、光を物が反射、もしくは吸収することで現れるものだということです。また少し後で見ていきましょう。
「光源」、まあ、暗い所じゃ色どころか何も見えませんよね。もちろん、それは正しいのですが、これも上で触れた「物体」に反射して目に入る元の光を出すものが必要、という意味です。
光とは電磁波です
光とは「電磁波」です。名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。電波はもちろん知っていますよね。スマホとかから出るアレです。アレといっても見えないですけど。
電波は電磁波の一種です。波の大きさがここからここまでの電磁波を電波と呼ぼう、としているだけです。つまり、光も電波も、波の大きさが違うだけで、どちらも同じ電磁波なのです。白熱電球に電気を通すと熱せられて電磁波を発生させますが、それが光です。
電磁波とは何かを科学的に説明するのは、どう考えても色彩検定の範囲ではないので、別のページでやろうと思います。とりあえず、ここでは電磁波をグラフ上の波として考えることにしましょう。
こんな感じです。波ですね。波なので高さがあります。これを「振幅」と呼びます。山のてっぺんから谷の底までの大きさではないですよ。 「振れる幅」なので真ん中から上下に振れている大きさを指しています。電磁波が光の場合は、強い光は振幅が大きくなります。
上下の幅がある一方で、横の幅もあります。テキストの範囲外ですが、1秒間に山がいくつあるかを「周波数」なんて言います。普段から何気なく「周波数」なんて言って気付いていない方もいるかもですが、「一周期の波の数」というめちゃくちゃ単純なネーミングなんです。
一方で、色彩的に重要なのは周波数より「波長」です。これは山のてっぺんから、次の山のてっぺんまでの長さを指しています。この波と波の間は、もちろん人間には想像もつかないほどめちゃくちゃ短く、単位はナノメートルを使います。
1nm = 0.000001 mm (100万分の1ミリメートル)です。
こういうの、覚えてるつもりでもいざテストに出てくるとゼロが何個だったか不安になってきますよね。
そんなあなたは、100万からゼロの数を連想すると確実ですよ!
- 1,000,000 (100万、0が6個)
- 0.000001 (100万分の1、0が6個)
レントゲン写真などで使われるX線も、この電磁波なのですが、波長が1nmと凄まじく短く、身体なんかをすり抜けていってしまうわけです。
波長を覚えようコーナー
電磁波の中で、波の長さ、つまり波長がある一定の範囲のものは、人間の目で見ることができます。それが可視光ですね。
テキストに書かれている可視光についてのあれこれは、もうテスト用に暗記しちゃいましょう。それが一番楽です。大体の色の範囲も必ず覚えましょう。
【可視範囲 380 – 780 nm】
短波長 380 – 500 nm(紫、青くらい)
中波長 500 – 600 nm(緑、黄くらい)
長波長 600 – 780 nm(橙、赤くらい)
可視範囲を赤側に超えた電磁波を赤外線、紫側に超えた電磁波を紫外線といいます。これは楽勝ですね。
光の進み方
光、即ち電磁波は同じ物質(気体や液体含む)の中では直進します。しかし、途中に何かしらの障害物があると、多様な動きを見せます。一つずつ見ていきましょう!
光の反射と透過
これはもう、意味は分かるとは思いますので用語を暗記すればよいですね。
【反射のタイプ】
- 正反射(鏡面反射):
つるつるピカピカの物体で反射
入射角と反射角が同じになる - 拡散反射:
ぼこぼこざらざらの物体で反射
反射角がばらばらになる。
【透過のタイプ】
- 正透過:
光は物体を突き抜けて直進 - 拡散透過:
光は物体を突き抜けた時にばらばらに散らばる
光の屈折
屈折も、身近な現象なので難しくないでしょう。ストローをコップに入れると水面で折れ曲がって見えるやつですね。
ただ色彩検定的に、屈折に関連して覚えなくてはいけないことがあります。
一つ目。
複合光(=いわゆる普通の光)を三角形のプリズムに充てると分光されて単色光に分かれます。これは「光の波長ごとに屈折する角度が違うことをを利用している」ということです。
二つ目。
プリズムに複合光を当てた際に、波長が短い方が屈折の角度が大きくなります。つまり「紫の側が内側に折れ曲がる」ということです。
光の回折
電磁波は途中に障害物があると、それにぶつかった後に半円を描くように回り込む動きを「回折」と言います。「回折」なんてあんまり聞きなれない単語ですね。でも、そんなに難しく考えなくて大丈夫ですよ。光が折れ曲がる「屈折」に対して、光が回り込むのが「回折」というだけでです。
色彩検定公式テキストの説明、ちょっとわかりにくいですね。でもとりあえず試験用として、
光が小さい穴を抜けたり、物にぶつかったらその後に広がる現象=回折
で頭に入れておけば十分だと思います。この回折は波長が長い電磁波の方が起きやすいです。そのため光だと微妙ですが、電波塔からの電波をあえて山にぶつけて、山の反対側の広範囲に電波をばらまく、なんていう裏技もあります。興味がある人は調べてみると、より記憶に残るかと。
干渉
上の方で説明したとおり、電磁波である光には振幅と呼ばれる波の高さがあります。波の山が重なると振幅が大きくなり、強い光になります。逆に、波の山と谷が重なると打ち消しあって波を失くしてしまいます。テスト的には、
- 波を「強めたり、弱めたり」するのが「干渉」
- シャボン玉とCDの裏の虹色は干渉が起きている
くらいでいいかなと思います。